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【なぜ企業はB.LEAGUEを買うのか】ローカル・スポーツビジネスの可能性/M&Aが拓く、地方創生の新潮流

公開日: 2025-12-06 再生数: 111,304 59.7分 YouTube で開く ↗

【なぜ企業はB.LEAGUEを買うのか】ローカル・スポーツビジネスの可能性/M&Aが拓く、地方創生の新潮流

30秒サマリー

ストライク新井氏・サイボウズ青野氏・B.LEAGUE島田チェアマンが、「B.LEAGUEクラブのM&A」を題材に、地方創生×スポーツビジネスの新潮流を議論したセッション。島田氏は、サラリーキャップ導入と2026年からの「B.プレミア/B.ONE/B.NEXT」事業力ベース格付制度(昇降格制度を廃止)により、勝敗ギャンブルからビジネスとして黒字化可能なリーグへの転換を世界初で進めていると主張。新井氏は、M&Aは女性・若年層中心という他スポーツに無いマーケット特性と、1県1クラブ=地域マーケットを握る独占性により投資対象として魅力的との見立てを示した。青野氏はサイボウズが2025年6月に愛媛オレンジバイキングスを子会社化、初期7試合で5勝2敗(前年5勝55敗)と再建が進んでいる事例を語り、ローカル理解こそが成功の鍵と論じた。

登壇者

キーポイント

  1. B.LEAGUE 55クラブの過半がここ数年でM&A: 島田氏は「全国55クラブのうち半分以上がこの数年でM&Aがあったと言っても過言ではない」「これからも検討中のクラブがいくつもある」との認識を示した。
  2. 2026年から世界初の事業力ベース格付制度に転換: 島田氏によれば、勝敗ベースの昇降格を廃止し、売上高・入場者数・選手サラリーキャップ等の事業基準で「B.プレミア/B.ONE/B.NEXT」3カテゴリに分ける。「世界でもない取り組み」と新井氏は評する。
  3. 女性・若年層という他スポーツに無いマーケット: 島田氏の見立てでは、観客の半数以上が女性で、年齢層も他スポーツより圧倒的に若い。これが企業のスポンサー意欲を高める背景にあると主張。
  4. サイボウズ×愛媛バイキングスの初期成果: 青野氏は、増資引受で子会社化→マイケル・パーカー選手(B.LEAGUE通算1万5000点超)ら主力獲得→開幕7試合5勝2敗(前年5勝55敗)、ホーム入場者数も2試合目の劇的逆転勝ちで熱狂が生まれていると報告。
  5. M&Aの動機は「投資効果+複合リターン」: 青野氏によれば、最大ポイントは投資効果が出ること。加えて自治体・地元企業との繋がり、社員エンゲージメント、採用での優位性などリターンが多面的との実感。
  6. ローカル理解こそが成否の鍵: 青野氏は「愛媛だから経営できる、他地域は怖くて手を出せない」と語り、新井氏も「地元出身であることが成功率を上げる」と主張。一方で島田氏は「地元への配慮を間違えると数年苦戦する」と、入り方の難しさを指摘。
  7. 1県1クラブ原則による地域独占性: 島田氏は基本的に1県1クラブ体制とし、知事・市長と直接コミュニケーション可能な「相当プライスレス」な地位が得られると主張。「1県でマーケットを完全に握りに行くのにどれだけ資金投下したらできるか考えたら、B.LEAGUEクラブは超安い」。
  8. アリーナ建設と地方創生の接続: 島田氏は、B.プレミア参入条件に「夢のアリーナを有すること」を含め、2028年までに多数のアリーナが誕生予定。沖縄アリーナがブレイクスルー事例で、各県視察が殺到していると説明。
  9. B2Bソフトウェア事業とのシナジー: 青野氏は、ソフトウェア営業先がスポンサーになる/スポンサー先が後にソフトウェア顧客になる相互送客、自治体との関係深化、強くなれば他クラブにkintone等を導入する可能性まで含めて、当初想定外のシナジーが見え始めたと主張。

詳細展開

章1: B.LEAGUEがM&A対象になった構造変化

前提: B.LEAGUE 2024シーズンB1〜B3合計入場者数557万人、2016年発足以降事業規模3.8倍。2020年から「B革新」改革を推進。

主張(島田氏): 過去のバスケ業界は「バスケ好きな若者が地元の名士の力を借りて小さくビジネスをしていた」段階で、M&Aの選択肢になる経済状況ではなかった。Bリーグ発足後の改革進展とともに「投資対象になり得る業界」に変わった。

主張(新井氏): 7年前にバスケットボールM&Aと出会った当初は「お金持ちが好きで持つ」否定的な印象だった。ちょうど「スポーツをビジネスとして投資対象に設計する」流れと合致したタイミングで、1件目のM&A成立後にこの領域に注目し始めた。

根拠・データ:

島田氏の意図: 海外のように産価値が上がり高額売買されるダイナミズムを、規模は小さくとも世界観として作りたい。B.LEAGUEクラブ保有が上場企業の株価にもポジティブとなる状況を作るため手を打っている。

章2: サラリーキャップと事業力ベース格付制度(B革新)

主張(島田氏): 5年前に宣言した改革の核は、サラリーキャップ導入と昇降格廃止。勝つことだけに放任するとマネーゲーム化し損益分岐点が見えず経営にならない。サラリー上限を決め、アリーナ整備+経営改善で一定利益が出る構造にすることで上場企業も株主に説明可能なビジネスモデルへシフト。

根拠:

青野氏の評価: 長期的ビジネスモデルのシナリオが見えるから10年20年のスパンで安心して投資できる。

章3: 観客プロファイル(女性・若年層)が生むスポンサー価値

前提: 動画内グラフで観客の半数以上が女性、他スポーツ感染と比較して年齢層も若い。

主張(青野氏): バスケに見に行って驚いたのは観客の半分以上が女性で、これは「ニューマーケット」。野球・サッカーは屋外で「暑い・日焼け・汗かく」に対し、バスケは室内空間で身長2m超の選手がスピーディに得点する華麗なプレイを近距離で観られる「非日常空間」。

島田氏の戦略開示:

新井氏の応答: 「女性向けブランド・化粧品企業への提案は弱かったかもしれない、提案の切り口として有効だ」と気づきを得た。女性ファンはファミリー・パートナーに連れてくる消費行動も活発。

章4: サイボウズ×愛媛バイキングス事例(M&Aの実装)

経緯:

実装:

青野氏が語る投資判断:

島田氏のシナジー観:

章5: B2Bソフトウェア事業との具体的シナジー

主張(青野氏): B2Bソフトウェア企業とプロスポーツチームは想定外に相性が良い。

根拠・具体例:

島田氏の補足(スポンサー構造):

スポンサー枠の裾野設計:

章6: ローカル理解=成否の核心

主張(青野氏): 「愛媛出身だから貢献したかったのではなく、愛媛に詳しいから経営できる」と立場を明確化。「あの人とあの人を繋いだら盛り上がる」「あの人には先に声をかけておかないといけない」が見えるから。他地域でビジネス的成功を見つけても、ローカルが分からない地域は怖くて手を出せないと述べた。

島田氏の見解:

新井氏の主張: 方法論や本は多数あるが「原点は熱量」。「このチームをいいチームにしていくんだ」という熱意が決定的。

エピソード(青野氏): 6月の子会社化後、地元中核企業数社へ挨拶回りに行ったところ、何も言わないうちに「スポンサー枠を増額します」と言われた。「営業していない」「熱量と覚悟が伝わったから」と本人解釈。

章7: 1県1クラブ原則と地域独占性

主張(島田氏): B.LEAGUE 55クラブで41都道府県をカバー(東京・名古屋等で複数乱立は例外)、基本1県1クラブ体制。

理由:

事例: 愛媛県人口約130万人(日本の約1%)、松山まで車1〜2時間でアクセス可。1チームで100万人マーケット相手にビジネスとして当面成立する見立て。

章8: 夢のアリーナ構想と地方創生

B.プレミア参入条件: 「夢のアリーナを有すること」を5〜6年前に決定。

現状:

島田氏のロジック:

反論・課題(新井氏): 建築コスト高騰でM&A検討が止まる現実も出てきている。お金の移動(東京・大阪本社企業による地域投資)は人やコンテンツの移動より動きやすい、これを訴えていきたいとの主張。

青野氏の補足: 「みんなでお金を出し合い、知恵を出し合ってアリーナを作る家庭が感動的」「50年以上使う資産を次世代に渡していく」「県民参加型でアリーナを作る体験そのものが地方の大きな価値」と地域参加プロセスの価値を強調。

章9: 2050年「感動立国」構想

主張(島田氏): B.LEAGUEは2050年に「感動立国」というスローガンを掲げる。

ロジック:

青野氏の成功定義:

重要な固有名詞・データ

項目 内容 文脈
B.LEAGUE 55クラブ 41都道府県カバー、過半がここ数年でM&A経験 島田氏のM&A状況概観
入場者数557万人 2024シーズンB1〜B3合計 B.LEAGUE成長指標
事業規模3.8倍 2016年発足以降 B.LEAGUE成長指標
B革新(2020〜) 改革の総称、サラリーキャップ・夢のアリーナ等 島田氏改革のブランド
B.プレミア/B.ONE/B.NEXT 2026年シーズンから事業力ベース3カテゴリ 昇降格制度を廃止しビジネス基準で再編
愛媛オレンジバイキングス サイボウズが2025年6月子会社化 19年ぶりのサイボウズM&A
5勝55敗→5勝2敗(7試合時点) 子会社化前→新シーズン序盤 投資効果の初期サイン
マイケル・パーカー選手 B.LEAGUE通算1万5000点超のレジェンド サイボウズ参入後の中核選手獲得
FC今治/岡田武史氏 約12年前に四国リーグから買収、サッカー文化のない街を変えた 青野氏が今治出身として影響を受けた事例
ストライク(1997年〜) 新井氏設立、M&A仲介、約7年前からスポーツM&A参入 スポーツM&A第一人者ポジション
サイボウズ B2Bソフトウェア(kintone等)、クラウド化推進 青野氏のB2B事業基盤
スポンサー300〜400社/チーム 多いと告知込み700社 草の根スポンサー構造
1県1クラブ原則 東京・名古屋等の複数立地は例外 地域独占性の前提
愛媛県人口約130万人 日本の約1%、松山まで車1〜2時間 サイボウズの市場感
沖縄アリーナ ブレイクスルー事例、視察殺到 アリーナモデルの起点
B.プレミア参入条件 「夢のアリーナを有すること」 5〜6年前に決定
2028年 多数のアリーナ誕生目標年 夢のアリーナ計画タイムライン
2050年「感動立国」 B.LEAGUEのスローガン 25年後の到達点
観客プロファイル 女性が半数超、年齢層が他スポーツより圧倒的に若い スポンサー誘致の主要根拠

アクションインサイト

引用したくなる発言

1県でマーケットを完全に握りに行くなんて、どんだけ資金投下したらできるのかって考えたら、Bリーグのクラブなんか超安いっすよね。(島田慎二)

ボランティアではなくて、単に投資として成立する話なんですってことを訴えていきたい。(新井邦彦)

愛媛に詳しいので、あの人には声をかけておかないといけないなとか、あの人とあの人を繋いだら盛り上がるよなみたいなのが見えるから、愛媛のチームだったら僕は経営できるかもと思った。(青野慶久)

何も言ってないのに「増額します」って言ってくれたんですよ、スポンサー枠を。営業してないんですよ。(青野慶久)

勝った負けたっていうギャンブルで地方創生は実現できないんですよね。(島田慎二)

地域がチームになれるような、そんなストーリーが作れたら、僕の中ではこの50年が成功だったと言える。(青野慶久)

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