未分類

【「国宝」効果で純利益最高】東宝の邦画、快進撃の理由/オリジナル作品倍増への道筋/製作への投資と今後のM&Aは?/高まるアニメ業界での存在感とIPの展開戦略/『ゴジラ』誕生の秘話【TOP TALK】

公開日: 2025-12-12 再生数: 33,143 23.6分 YouTube で開く ↗

【「国宝」効果で純利益最高】東宝の邦画、快進撃の理由/オリジナル作品倍増への道筋/製作への投資と今後のM&Aは?/高まるアニメ業界での存在感とIPの展開戦略/『ゴジラ』誕生の秘話【TOP TALK】

30秒サマリー

東宝・松岡社長が、邦画快進撃の背景と今後の経営戦略を語ったTOP TALK。松岡氏は「『国宝』『鬼滅の刃』のヒットは想定を超えていた」とした上で、SNS時代の「ヒットの大ヒット化」現象を指摘。同氏は「これまでは100%に近い成功確率でないと動かなかったが、今は自社主導でリスクを取り作品を作っても潰れない体力ができた」との見立てを示し、自社オリジナル作品の倍増・アニメとIPを軸としたM&A・グローバルパートナーシップ拡大を中核戦略として提示した。聞き手の佐々木氏は「ハリウッド衰退と邦画好調」の構図を提起し、松岡氏は多様性に富んだラインナップとコロナ・ストライキを経た構造変化が要因との見立てを示した。

登壇者

キーポイント

  1. 「国宝」「鬼滅の刃」のヒットは想定外: 松岡氏は「『国宝』は我々の想定をはるかに超える大ヒット、予測できなかった。鬼滅の刃もIPとして終盤・クライマックスだが、ここまでとは想定していなかった」と主張。
  2. SNS時代のヒット増幅メカニズム: 松岡氏の見立てでは「お客様が見たいものを見つけた時、何度も見に行きSNSで一気に拡散する。これは10〜20年前にはなかった現象で、ヒットが大ヒット・特大ヒットへ繋がる」要因。
  3. 「国宝」製作幹事を取らなかった判断: 松岡氏は「製作費が高くなる、上映時間が長くなる、歌舞伎は間口が狭くターゲット層が上、ビジネスとして成立するか」との理由で一旦手放したと振り返り、「当時としては正しい判断だった」との立場。
  4. 戦後一貫した「興行・配給中心の堅実モデル」からの転換: 松岡氏は「50〜60年代にテレビが出て映画産業が(縮小)化した時、最初に(製作から)離れたのが東宝」と説明し、現在は「自分たちもオリジナル作品を倍増し、リスクを取って作る」フェーズに入ったと位置付け。
  5. オリジナル作品の倍増は「数」より「納得できる質」が課題: 松岡氏は「数だけなら倍は難しくない。納得して勝負できる作品を倍にするのが相当高い目標」「素晴らしい作品を倍増し、結果として収入利益がついてきたら最高」との見立て。
  6. M&Aの軸はアニメとIP、対象は広めに探索: 松岡氏は「2022〜25年の中計でM&Aを積極化し、東宝はM&Aしても大丈夫な状態になった」「アニメとIPはエンタメ産業の成長分野で重点。ただ『ここじゃなきゃダメ』ではなく意外と広く見ている」と説明。
  7. ハリウッド相対衰退・邦画好調の構造変化: 松岡氏の見立てでは「コロナで撮影現場が止まり、直後にストライキ、今年は山火事と影響が連続した。日本など各国の自国映画が強くなった。数十年前のハリウッドしかなかった時代からは確かに変わってきている」。
  8. 不動産事業がエンタメの不確定性を支える二層構造: 松岡氏は「どの作品が当たるかは誰にも分からない。予測も外れうる。その時に不動産という安定的な事業があるのは本当に助かっている」と主張。
  9. 創業者・小林一三の理念は92年間「何ひとつ変えていない」: 松岡氏は理念体系刷新の作業を経て「『娯楽エンターテイメントを大衆・世界中の人に提供し、その方たちが喜んでくださることが私たちの喜び』という92年前の言葉が今も通じる」と振り返り。
  10. 海外展開は「3度目の正直」: 松岡氏は「1950〜70年代にハワイ・ロサンゼルス等で映画館を作って失敗し撤退、以降『海外=危険』の暗黙のムードが続いた。島谷会長の号令で再挑戦した今が、3回目のチャレンジかもしれない」との見立て。

詳細展開

章1. 邦画の絶好調と「国宝」「鬼滅の刃」想定外ヒット

東宝の中間決算発表が直前にあり、「絶好調」と佐々木氏が切り出す。佐々木氏自身が東洋経済時代に東宝担当で、「いつも上方修正ばっかりだった」と回想。松岡氏は冒頭から「私もそれを教えてもらいたいですよね」と笑いながら語り出す。

主張: 松岡氏は「コロナで映画館・演劇が『不要不急』とされた時代を経て、自分たちが映画館を開け続け、お客さんが戻ってきてくれた素地はあった」とした上で、「『国宝』は我々の想定をはるかに超える大ヒット、あれは予測ができなかった」「鬼滅の刃もIPとしては終盤・クライマックスだが、ここまでヒットするとは想定していなかった」と、両作とも想定外ヒットだったと明言。

根拠・データ:

示唆(松岡氏の語り): 「強い作品はヒットだけでなく大ヒット・特大ヒットに繋がっていく、ヤク肉的なところがあって、たまたま我々はそのいい方の先に巡り合えた」(運の要素を強調する立場)。

章2. 「国宝」製作幹事を取らなかった判断と、後悔

佐々木氏が「製作幹事までやる手もあった。やらなかった後悔は?」と切り込む。

主張: 松岡氏は「あれだけ当たると後悔します」と率直に認めた上で、「製作費が高くなりそう、上映時間も長くなりそう、歌舞伎は間口が狭くターゲット層も上、ビジネスとして成立するのかという思いから一旦手放した」と判断の経緯を説明。最終的にソニーグループ傘下のアニプレックスの子会社「ミリアゴン(仮、字幕からの聞き取り)」が引き取って製作する際、東宝に配給の声がかかった。

反論・補足: 松岡氏は「東宝が配給会社として信頼してもらえた意味でありがたい。ただ後付けで『幹事をやっておけば』と言われたらその通り。当時としては正しい判断、それくらい難しい題材を仕上げた作り手の方たちに敬意を表したい」と、当時判断の正当性と今の後悔を両立させる形で総括。

章3. 興行・配給中心モデルから「製作にリスクを取る」モデルへ

佐々木氏は「制作のところまで深くやっていく。背景の興行も配給も圧倒的に強い東宝が、作るところに投資するのは大きい変化」と位置付ける。

主張: 松岡氏は「東宝92年の歴史で、興行会社として地位を確立した。50〜60年代にテレビが出て映画産業が(縮小)化した時、最初に(製作から)離れたのが東宝」と振り返る。リスクを取らず、強い興行網と配給で堅実にやってきたのが従来モデル。

転換の根拠: 松岡氏の見立てでは、年間30本の配給ラインナップは「他社・パートナーが作る作品でこれ以上ないラインナップ」だが、「これを倍にするのは難しい」。倍に増やすには自社製作も増やすしかない。やる以上は「死体的に(=主体的に?字幕補正不能)100%に近い形で自分たちでリスクを取る」と決断。

根拠・データ:

温度感の保持: 松岡氏は「自分たちはあんまりリスクをテイクしてると思っていない」「成功確率がすごく低いものをギャンブル性を持ってどんどん行こうという気持ちはない」と、リスクテイカー化の表現には慎重な距離を取る。「昔と比べると取れるリスクの範囲が広がってきた」「チャレンジしようという気持ちを社員にも持ってほしい、そういう社員が増えている」との立場。

章4. オリジナル作品倍増の戦略と「数より納得」の壁

主張: 松岡氏は「数だけで言えば倍にするのはそんなに難しい話ではない。とにかく作ろうと言えば作れる」「ただ我々が納得して勝負ができると思った作品を倍にするのは相当高い目標」と、量と質の区別を明確化。「目標としては倍増だが、本当は自分たちが納得できる素晴らしい作品を倍増して、結果として収入利益がついてきたら最高」との立場。

根拠・データ:

論理: 「数が増えないと、1つから大成功よりも、たくさんの中から抽出されて出てきたものがチャレンジして成功する/失敗する。ある程度の数は必要」(松岡氏)。

章5. パートナーシップとM&Aの方向性

主張(パートナーシップ): 松岡氏は「海外を視野に入れると、北米では劇場配給を展開できるかもしれないが、他地域はまだスタートしたばかり。誰かと組まないと全世界展開は難しい」「オリジナルIPも全部のメンバーだけで作れるわけではない。グローバル展開時にはパートナーシップが大きなキーワード」との立場。「1つのプロジェクトでこの方とこの方、別のプロジェクトでこの方、という前方外交(=全方位外交の聞き取り誤りか)に近い」。

主張(M&A): 松岡氏は「2022〜25年の中計でM&Aに積極的に踏み入れた。当時は対象もよく分からない中、研究しながら声かけて縁があり、国内海外様々な会社と縁ができた結果、『東宝はM&Aしても大丈夫』な状態になった」と説明。

根拠・データ:

反論・温度感: 「ガス人間(=『大怪獣ガス人間第1号』のリメイクか/字幕補正不能)をメトリクと作る」案件が出ているなど、対外プロジェクトも具体化中(松岡氏の言及)。

章6. 東宝の業態の世界的特異性とアニメの存在感

主張: 松岡氏は「アメリカは(パラマウント判決以降)原則として垂直統合を許していない。興行と製作・配給は分離されている。日本は許されているので、東宝は全部運営しているという意味で珍しい会社」「中国・インドにも同様のモデルはあるが、我々はそれに加えてアニメ・演劇・海外展開もある。1つのIPを預かれば全部のところを使える特殊な会社」との立場。

アニメ事業の根拠・データ:

章7. ハリウッド相対衰退と邦画好調の構造論

佐々木氏が「ヨガ(=洋画)が衰退、ハリウッドを見なくなった」「日本の方が面白い」と挑発的に切り出す。

主張(松岡氏): 「洋画にも面白いものはたくさんある」と前置きしつつ、「映画は習慣性のもの。映画館で見た予告編から次の作品に繋がる構造があるが、コロナ以降ハリウッド映画が日本で上映される機会が減った」と説明。

根拠(松岡氏の整理):

主張(邦画好調の要因): 松岡氏は「すごく多様性に富んだラインナップを日本の映画業界・映画作人が提供できている」と分析。「アニメだけではなく、今年は『国宝』『東京MER』『8番出口』があり、実写でも30〜50億のレンジの大ヒット作品がこれだけ出ているのはなかなかない。映画館に来るお客様にとって次に何を見ようかの選択肢が多いことが要因」との見立て。

章8. 92年変えていない理念と、「3度目の正直」海外展開

主張(理念の不変): 松岡氏は「今回理念体系を刷新したが、その作業を経て『(92)年前に小林(一三)さんという創業者が考えたことは何ひとつ変えていない』と気づいた」「『娯楽エンターテイメントを大衆・世界中の方たちに提供し、その方たちが喜んでくださることが私たちの喜び』という92年前の言葉が今も通じている。変えなくていい真ん中の部分が変わらないのは幸運」との立場。

主張(変わるもの): 「テクノロジーの変化、市場の変化、文化の変化はあり、変わらざるを得ない。東宝は適応能力が高い方の会社だと歴史的に見ても思う」(松岡氏)。

根拠・歴史的事実(ゴジラ誕生秘話):

主張(海外展開の歴史):

章9. 不動産事業の役割

主張: 松岡氏は「エンタメ産業はたまたま今好調だがこれは運のおかげ。不確定要素・不安定要素が大きく、どの作品が当たるかは誰にも分からない、予測しても外れうる。その時に不動産という安定的な事業があり、本当に助かっている」との立場。エンタメ事業のボラティリティを不動産が支える二層構造。

重要な固有名詞・データ

項目 内容 文脈
松岡宏泰 東宝株式会社 代表取締役社長 本動画の主役
島谷(会長) 現東宝会長。アニメ事業立ち上げ・海外再挑戦の号令を出した人物 章6・章8
小林一三 東宝創業者(92年前) 章8(理念・ゴジラ誕生秘話)
「国宝」 邦画大ヒット作。製作幹事は東宝が一旦手放し、アニプレックス傘下のミリアゴン(聞き取り)が製作、東宝が配給 章1・章2
「鬼滅の刃」 IPとして終盤クライマックス。想定外の大ヒット 章1
「シン・ゴジラ」「ゴジラ -1.0(マイナスワン)」 100%自社出資作品の成功体験 章3
「東京MER」「8番出口」 実写30〜50億レンジの大ヒット作品(2025年) 章7
「スパイファミリー」「キングダム」 東宝が関与するアニメ/IP作品 章6
年間配給作品数 約30本(東宝が配給する作品ラインナップ) 章3
実写30〜50億レンジ大ヒット作品の量 2025年は複数本出ている(過去比でなかなかない水準)と松岡氏が指摘 章7
中期経営計画 2022〜25年。M&A積極化フェーズ 章5
東宝アニメーション 11〜12年前に島谷氏号令で立ち上げ 章6
1954年(ゴジラ) 戦争終結10年以内に映画を作る計画から派生 章8
米国の垂直統合規制 興行と製作・配給の分離が原則。日本では許されている 章6
米脚本家・俳優ストライキ 2023年。コロナ直後の影響としてハリウッド作品供給を遅延させた要因 章7
2025年カリフォルニア山火事 ハリウッド作品供給への影響要因として言及 章7
日谷(聞き取り)の東宝本社 収録場所 冒頭
谷岡氏の長期就業体験 学生時代に東宝で2週間(聞き取り) 冒頭

※字幕の自動誤変換と思われる箇所:「日谷」「ヨ画」「ヨガ」「ハリウット」「政商/製造」「死体的」「前方外交」「ミリアゴン」「ガス人間」「先頭」等。文脈から推定して本文では補正・推定を試みているが、固有名詞は不確定要素を残している。

アクションインサイト

引用したくなる発言

「『国宝』映画はもう我々の想定をはるかに超える大ヒットになって、あれは予測ができなかった」(松岡宏泰)

「強い作品はヒットだけではなく大ヒット、特大ヒットに繋がっていく。たまたま我々はそのいい方の先に巡り合えた」(松岡宏泰)

「(92)年前に小林さんという創業者が考えたことは何ひとつ変えていないんだな」(松岡宏泰)

「数だけで言えば倍にするのはそんなに難しい話ではない。納得して勝負ができると思った作品を倍にするのは相当高い目標」(松岡宏泰)

「東宝はM&Aしても大丈夫なんだっていう状況には今あるんだと思います」(松岡宏泰)

「3回目のこうチャレンジなのかもしれませんね」(海外展開について/松岡宏泰)

「なんでこんな洋画がつまんなくて日本の方が面白いんですかね?」(佐々木紀彦の挑発的な問いかけ)

関連トピック