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【自動車メーカーは今世界でどう戦うべきか】アメリカへの投資/中国の過剰生産/UBE/事業転換/カルチャー変革/ニッチトップへ/山田社長

公開日: 2025-05-20 再生数: 126,213 29.6分 YouTube で開く ↗

【自動車メーカーは今世界でどう戦うべきか】アメリカへの投資/中国の過剰生産/UBE/事業転換/カルチャー変革/ニッチトップへ/山田社長

30秒サマリー

UB(旧 宇部興産)の新社長・西田裕氏が、コングロマリットからスペシャリティ化学企業への第3創業フェーズの戦略を語った。中国勢の追い上げでベーシックケミカルの優位が崩れた現状認識のもと、千葉のアンモニアチェーンとタイのラクタムチェーンを停止し、米国ルイジアナ州に過去最大規模(約750億円/5億ドル)のDMC(炭酸ジメチル)工場を建設、リチウムイオン電池電解液原料・半導体用途を狙う方針を示した。西田氏は2035〜2040年に売上1兆円・営業利益1000億円を目標に掲げ、「お客様をノックする」「希望ある科学で難題を打ち破る」というパーパスでカルチャー変革を進めると主張している。

登壇者

キーポイント

  1. 社名・事業構造の刷新: 西田氏によれば、3年前に「宇部興産」から「UB」に社名変更し、セメント事業を三菱マテリアルとの50:50持分法会社(UB三菱セメント)に切り出し、機械事業は90年代末に100%子会社化済みで、本業は化学事業に絞り込まれた。
  2. ベーシックケミカルからの撤退加速: 西田氏の説明では、千葉のアンモニアチェーンを2030年目処に停止予定だったが、世界の動きが想定以上に早く2〜3年前倒し決定。タイのラクタムチェーンも停止、スペインのラクタムは継続。
  3. 中国勢の急速な追い上げ: 西田氏の見立てでは、10〜20年前は欧州大手が業界トップ、日本勢は2〜3番手で「美味しいポジション」だったが、中国がスケールアップ・研究開発力で追いつき「ベーシックでは追い抜かれた」。欧州大手でさえトップ維持が難しい構図。
  4. スペシャリティ化学の定義: 西田氏の主張では、スペシャリティとは「あったらいいな」ではなく「なくてはならない」製品で、領域を絞り込むほど「No.1でないと勝負にならない」。2番手・3番手戦略は通用しない。
  5. 米国ルイジアナへの過去最大投資: 約750億円(5億ドル)規模のDMC工場新設。1990年頃から続けてきた基礎研究の延長で、リチウムイオン電池電解液(車載用途の爆発的成長見込み)と半導体用途の両方で市場が見えた段階での意思決定だと西田氏は説明。
  6. トランプ関税の影響は限定的: 西田氏によれば、米国直接売上は全体の10%未満で原料関税の直接影響は限定的。ただし自動車・タイヤ・半導体の間接需要やEV補助金縮小の影響はあり得る。米国内で生産することで関税障壁の影響を回避する側面もある。
  7. 2035〜2040年に売上1兆円・営業利益1000億円: 西田氏の目標。現状の売上5000億円(旧宇部興産時代は8000億円)に対し、米国事業立ち上げで約1000億円、オーガニック成長+M&Aを積み増す絵図。M&Aは「事業を買うより人を手に入れる」ためと位置付け。
  8. パーパス「希望ある科学で難題を打ち破る」: 2025年4月に発表。西田氏は「環境負荷の負の側面で科学が語られる時代から、希望としての科学を取り戻す」と主張。インターナルブランディングで全従業員の「心に火を灯す」狙い。
  9. 「お客様をノックする」カルチャー変革: 従来は素材を提供するだけだった姿勢から、ソリューション・調理法・食べ方まで提案するイノベーションパートナーへ。さらに「社会課題をもノックする」能動的姿勢への変革を西田氏は提唱。
  10. スピードを重視する経営観: 西田氏は自身の若手時代の経験から、「100点の遅い納品より60点でも速い納品」を強調。「驚かせる速さ」が体感品質を80点に押し上げると主張。

詳細展開

1. UBの来歴と「第3創業」フェーズ

UBは1897年に山口県宇部市で石炭採掘からスタート。石炭採掘→採掘機械→セメント(採掘で出る土・泥の活用)→石炭由来ケミカル、と4事業に拡大し、第二次世界大戦中に4社が統合され「宇部興産」が誕生。

3年前に化学会社への一本化を宣言し、社名を「UB」に変更。聞き手はこのフェーズを「第3創業」と表現し、西田氏も同意。

主張: 西田氏は、コングロマリット成長期(第2フェーズ)が終わり、スペシャリティ化学への転換が「第3創業」だと認識。

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2. 中国の台頭とベーシックケミカルの構造変化

主張: 西田氏の見立てでは、化学業界の競争構造が10〜20年で根本的に変わった。

根拠・データ:

含意: 西田氏は「他社もスペシャリティを言っている中で、UBとしてどんなスペシャリティ会社を目指すかが差別化の核」と主張。

3. 事業ポートフォリオの再構築

主張: 西田氏は前社長時代から続くベーシック撤退を加速させた。

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4. 米国進出とDMC工場(過去最大投資)

主張: 西田氏は、米国進出を「長年の夢」と位置付け、過去最大の設備投資を決断したと説明。

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反論・異論: 聞き手から「ライバルが多かったから進出していなかったのか」との問いに、西田氏は「市場が追いついていなかった」と回答し、競合理由ではなく市場成熟タイミングを根拠とした。

5. 2035〜2040年に売上1兆円目標

主張: 西田氏は、社内外への明確なメッセージとして「1兆円」の数字を掲げた。

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意思決定スタイル: 西田氏は「言っちゃってから行動するタイプ」「化学メーカーには珍しい大胆な目標設定」と聞き手から評され、「自分を縛り、従業員を鼓舞するため」と説明。

6. M&Aは「人を手に入れる」ため

主張: 西田氏は、M&Aの目的を事業ポートフォリオ拡張だけでなく人材獲得と位置付け。

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7. 研究開発投資の引き上げ

主張: 西田氏は、スペシャリティ化を本気でやるなら研究開発比率を引き上げる必要があると主張。

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8. パーパス「希望ある科学で難題を打ち破る」

主張: 西田氏は2025年4月にパーパスを刷新。インターナルブランディングを変革の起点に据えた。

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9. 「お客様をノックする」営業姿勢への変革

主張: 西田氏は、従来の素材メーカー型から脱却し、能動的な提案型へ移行すべきだと主張。

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反論・異論: 聞き手から「ドアノックは営業として当然では」との問いに、西田氏は「化学素材業界では珍しかった」と認めつつ、ノックの中身(素材提供→ソリューション提案)が根本的に違うと反論。

10. スピード重視の経営観

主張: 西田氏は、自身の若手時代の体験から「スピードがクオリティ」だと主張。

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11. リーダーシップスタイル: 「道は歩いた後にある」

主張: 西田氏は、自身を「動きながら考えるタイプ」と位置付け。

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12. 個人としてのプレッシャーと向き合い方

主張: 西田氏は「動じない」タイプではなく、プレッシャーを強く感じていると吐露。

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重要な固有名詞・データ

項目 内容 文脈
UB(旧 宇部興産) 1897年創業、山口県宇部市の石炭採掘から出発した化学企業 動画全体の主役
西田裕 UB代表取締役社長、2025年4月就任、有機合成系研究者出身 ゲスト
UB三菱セメント 三菱マテリアルとUBの50:50持分法会社 セメント事業切り出し先
ランクセス(独) 2024年にウレタンシステム事業(主に米国)をUBが買収 M&A事例
ルイジアナ州DMC工場 約5億ドル(約750億円)、過去最大の設備投資 米国進出の核
DMC(炭酸ジメチル) リチウムイオン電池電解液原料、半導体プロセス原料 米国新工場の主力製品
千葉アンモニアチェーン 2030年目処→2〜3年前倒しで停止決定 ベーシック撤退の象徴
タイ ラクタムチェーン 競争激化のため停止 ベーシック撤退
スペイン ラクタムチェーン 競争力あり継続 スペシャリティ志向で残す事業
ナイトライトテクノロジー UB独自開発の技術、C1ケミカルの基盤 米国進出の技術的根拠
売上目標 2035〜2040年に1兆円、営業利益1000億円 中長期目標
現状売上 約5000億円(旧宇部興産時代は8000億円) スタート地点
米国売上比率 全体の10%未満 トランプ関税の影響限定の根拠
海外売上比率 約50% グローバル展開の進捗
研究開発費 化学事業で約400億円、売上比2.5% 4%超への引き上げが課題
パーパス 「希望ある科学で難題を打ち破る」 2025年4月発表
スローガン 「未解決な未来に挑もう」 パーパスとペアで運用
『道は歩いた後にある』 上司に勧められた書籍。化学の大先輩の経験談 西田氏の座右の銘
バイデン政権インフレ抑制法 環境投資補助金。トランプ政権下で影響可能性 米国EV市場リスク

アクションインサイト

引用したくなる発言

「あったらいいな、ではなく、なくてはならない製品。日Topにならないといけない。つまり2番手、3番手では勝負にならない」(西田氏/スペシャリティの定義)

「お客様をノックし、社会課題をもノックする」(西田氏/変革姿勢)

「希望ある科学で難題を打ち破る」(西田氏/2025年4月発表のパーパス)

「道は歩いた後にある」(西田氏の座右の銘/上司に勧められた本のタイトル)

「眠れない人とかありますか? ありますね。あ、ありますか?くよくよするとこもあるので」(西田氏/プレッシャーへの率直な吐露)

「M&Aをやるってことは事業を買うというよりも人を手に入れるっていうこと」(西田氏)

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