【日本の未来に緊急提言】ベンチャーは"国家権力への反逆"/イーロン・マスクに学んだ突破力/TBS買収騒動の舞台裏/楽天モバイルへのバッシングと勝算/政治家になる?/後継者は?/三木谷浩史/東野幸治
【日本の未来に緊急提言】ベンチャーは"国家権力への反逆"/イーロン・マスクに学んだ突破力/TBS買収騒動の舞台裏/楽天モバイルへのバッシングと勝算/政治家になる?/後継者は?/三木谷浩史/東野幸治
30秒サマリー
楽天グループの三木谷浩史氏が、東野幸治氏と「ザ・ディープショー」で対談した回。三木谷氏は、TBS買収の動機(ネット×テレビ融合とジャーナリズム再興)、楽天モバイルの完全仮想化ネットワークの技術的優位性と海外展開、日本の税制・規制・中央集権構造への強い違和感、そしてイーロン・マスク氏から聞いた「ベンチャーの役割は国家権力への反逆」という言葉を軸に、日本の停滞要因と突破策を論じた。三木谷氏自身は政治家になる意思は否定しつつ、楽天主導の「日本改革プラン(2030年までに所得40%増)」を提示しながら、減税・地方分権・富裕層誘致による経済成長路線を主張した。
登壇者
- 三木谷浩史(楽天グループ 代表取締役会長兼社長): 本動画の主たる論者。日本の税制・規制・中央集権構造を批判し、減税と地方分権による成長路線を主張する立場。楽天モバイルの完全仮想化ネットワークを「世界に売れる技術」として位置づける。
- 東野幸治(タレント/聞き手): 一般視聴者目線で疑問をぶつけ、三木谷氏の主張を引き出す役割。技術的説明には率直に「わからない」と返す姿勢。
- 加藤(PIVOT 進行役): 番組進行とクロージング担当。三木谷氏の「政治家にはならない」発言の温度感を確認する役割。
キーポイント
- TBS買収の動機: 三木谷氏は当時TBS買収を検討した理由として「ネットとテレビの融合による新ビジネス」と「日本のジャーナリズム再興」の2点を挙げ、特に欧米メディア(CNN・FOX等)と比べて日本のメディアは方向性が真ん中に寄りすぎていると指摘した。
- 楽天モバイルの完全仮想化: 三木谷氏は楽天モバイルが世界で唯一「完全仮想化(ハードウェアの代わりに汎用サーバ+ソフトウェアで信号処理)」を実装したと説明し、コアネットワークのエンジニアが250人で済む(他社は数千人規模との見立て)ことを優位性として挙げた。
- モバイル事業の3層収益構造: 三木谷氏の見立てでは、楽天モバイルは①単体収益、②楽天市場ショッピングが60〜70%増えるエコシステム効果、③ソフトウェアの海外販売、の3つで成立する事業。
- 日本の税制への批判: 三木谷氏は「財務省はぶんどれるところからぶんどる」「単年度収支合わせのロジックが曲がっている」と評し、過去30年で日本経済はドルベースで約-7%(成長していない)との数字を示した。
- 富裕層誘致と税戦略: 三木谷氏はベッカム税(スペイン)やイタリアの肖像権非課税の例を挙げ、戦略的減税で人材を呼び込む発想が日本に欠けていると主張。日本の所得税最高56%では一流人材は来ないとの見立て。
- 政治家になる意思の否定: 三木谷氏は政治家への転身を明確に否定。代わりに楽天として「日本改革プラン(2030年までに所得40%増)」を提示し続けるアプローチを取る立場。
- イーロン・マスク氏の言葉: 三木谷氏はマスク氏から「ベンチャーの役割は国家権力への反逆」と聞いたエピソードを紹介し、テスラの初の死亡事故翌日にマスク氏が平然とBBQに来た逸話とともに、日本の自動運転規制の硬直性を批判した。
- 後継者・事業承継の現状: 三木谷氏によれば、金融・ネットショッピング・トラベルは既に権限移譲が進んでおり、月1回アドバイスする程度。携帯事業のみは「運がかかっている」として自ら陣頭指揮を取っている段階。
詳細展開
TBS買収騒動の舞台裏とジャーナリズム論
2005〜2006年の楽天によるTBS買収検討は、堀江貴文氏のライブドア×フジテレビ騒動と並ぶ「ネット企業のテレビ買収」事例として記憶される。東野氏は当時楽天に内定が出ていた立場で、内定者向けに「会社としてきちんと君たちを守る」と緊急説明会があったエピソードを開示した。
主張: 三木谷氏は、TBS買収を検討した理由は2つあると述べた。第一に「ネットとテレビが融合すれば本当にいいことができる」というビジネス的動機。第二に「日本が衰退している1つの理由として、もう1回ジャーナリズムを復活させなくてはいけない」という社会的動機。
根拠・データ:
- イングランドプレミアリーグは「半旗を翻した人たち」が立ち上げ、その裏にメディアがいた(三木谷氏の説明)
- 欧米メディア(CNN・FOX)は方向性が明確に分かれているが、日本のメディアは皆さん真ん中に寄っている、との見立て
- フェイクニュースが氾濫するネット時代に、フェアな道標を示すメディアの役割が重要との立場
現在の温度感: 三木谷氏は2025年12月時点で「テレビ局は非常にインフルエンシャルだしビジネス機会も大きいが、もうちょっとテレビ局はいいかな」と発言。東野氏は「途中でめんどくさくなった彼女みたいな」と例え、笑いに変えた。今後はプラットフォーム側に回り、AIを活用したライブショッピング、海外(楽天TV欧州展開、Kobo、Vikiでのアジアコンテンツ世界配信)に注力する立場。
楽天モバイルの完全仮想化ネットワーク
東野氏は「何回見ても読んでもわからない、アホに教えると思って教えてほしい」と率直に質問。三木谷氏は車のターボに例えながら原理を解説した。
主張: 三木谷氏によれば、世界の携帯料金が高止まりする要因は2つ。①周波数帯域の有限性と寡占構造、②基地局での膨大な計算処理(1基地局1000人接続時、各人のパケット処理+移動補足を遅延なく行う必要)。これを従来は専用ハードウェアで処理していたが、楽天は汎用サーバ+ソフトウェアで仮想化した。
根拠・データ:
- 楽天モバイルのコアネットワーク管理エンジニアは250人(他社は数千人規模との三木谷氏の見立て)
- ムーアの法則(汎用半導体は約1.5年で倍速化・価格低下)に乗れる構造
- 完全仮想化を実装している国は他にない、との三木谷氏の説明
- 当初は米FCC関係者などから「絵に描いた餅」「パイ・イン・ザ・スカイ」と評されたが、現状はレガシーのハードウェアベースより性能が良い水準と主張
- 12月末で1000万契約獲得が射程圏内、大型基地局+ソフトウェアで繋ぐ小型基地局を展開中
事業構造:
- 単体収益+楽天市場ショッピング60〜70%増(エコシステム効果)+海外へのソフトウェア販売(数千億規模との言及)の3層
日本の税制・財政への批判
主張: 三木谷氏は日本の税制を「財務省はぶんどれるところからぶんどる、単年度収支合わせのロジックで戦略性がない」と批判。減税で経済成長させて将来回収するという発想が欠けているとの立場。
根拠・データ:
- 過去30年で日本経済はドルベースで-7%(他国が右肩上がりの中、日本だけ平坦〜下降との認識)
- アメリカは30年で経済規模約5倍、年間7-8%伸び。日本は30年で30%増、年間1%
- アメリカ成長要因として三木谷氏が挙げた3点:①低い税率、②過剰でない労働規制、③移民(IT企業トップの多くがインド系1〜3世という指摘)
- ベッカム税(スペイン、海外移住者の所得税20%)→クリスティアーノ・ロナウドはイタリアの肖像権非課税策に流れた、という戦略税の例
- 日本のキャッシュハンドリングコストは年5兆円との説明(出典は動画内で言及なし)。完全デジタル化で経済効果5兆円/年、10年で50兆円との試算
反論・異論: 東野氏・加藤氏側から正面の反論はないが、東野氏は「ガソリン税が安くなったかと思ったら走った数だけ税金とか、戦い方がおかしい」と同調。
富裕層誘致と「日本改革プラン」
主張: 三木谷氏は「キャピタルゲインや配当は法人税を払った後のお金で二重課税。多くの国はゼロ化や引き下げで成長を促している」と指摘。富裕層が日本に入ってきて消費する方が、不動産価値・資産税・消費税の総和で経済合理的との見立て。
根拠・データ:
- 楽天の「日本改革プラン」では2030年までに所得40%増を提示
- 三木谷氏の例:「2億の選手を取ると1億数千万前にかかる」(日本の所得税負担)→アメリカではフランチャイズが税の低い州にあり、引退後の年金税制も整備されている
- 楽天社内:「価値を出していくんだ」という大義名分を毎週の朝会で英語でしつこく繰り返す。社員のハングリー差は「外国人エッセンシャルワーカーの方が端的に2倍働く」との認識を語った
反論・異論: 三木谷氏自身が「ゼロにしようとかシンガポール・香港にしようと言っているわけではない、適切なレベル」と自己制約を加えた。
政治家にならない理由と地方分権論
主張: 三木谷氏は政治家転身を明確に否定。理由は政治家には法体系・外交・防衛・社会福祉など多面的理解が要求され、日本では大統領制と違いチームを同じ方向に持っていく総合力が必要だから、との立場。
根拠・データ:
- 仮に総理になったら最初に着手するのは「税制パッケージ+労働力不足+地方分権」
- 日本の地方税は「実質国税」:税率も総務省が決め、地方交付金で配分する構造
- 規制改革が進まない要因として「特定県だけ自動運転OK/Airbnb OK」が許せない平等主義の存在を指摘
- アメリカのワイオミング州など、税の安さや観光資源開発で復活した州を引き合いに、日本の地方には自助努力の余地がないとの見立て
イーロン・マスクとの逸話
主張: 三木谷氏は「ベンチャーの役割は何か」とマスク氏に問うたところ「国家権力への反逆」と返ってきたエピソードを紹介。マスク氏を「狂ってる、でもあれくらい狂っとかないと」と評した。
根拠・データ(三木谷氏の語ったエピソード):
- テスラの初の人身事故(死亡)の翌日、三木谷氏宅でのバーベキューにラリー・エリソン氏らと共にマスク氏も平然と現れた
- マスク氏曰く「そもそも運転手は漫画を読みながら運転していた」「テスラでの死亡事故はまだ1人。アメリカは年間10万人が人の運転で死んでいる」との趣旨
- 日本では1人の死亡事故で自動運転が即禁止になる構造、との三木谷氏の対比
事業承継: 金融、ネットショッピング、トラベルは権限移譲済みで月1アドバイス体制。携帯事業のみ自ら陣頭指揮(「運がかかっている」との表現)。
中国市場と海外展開
主張: 三木谷氏は中国市場については「1回やったが失敗した。日本企業には商慣行が違って難しい」と認めた。台湾は健闘中。今後はAIを活用したショッピング体験(ワード一致検索ではなく、文脈や好みに合わせたレコメンデーション)と、海外向けライブコマース・コンテンツ配信に注力する立場。
根拠・データ:
- 楽天TVは欧州全域でサービス提供
- Kobo(電子書籍)は対Amazonで世界シェア約30%(Amazon約70%との認識)
- Viki(シンガポール拠点)でアジアコンテンツの世界配信を展開
重要な固有名詞・データ
| 項目 | 内容 | 文脈 |
|---|---|---|
| TBS | 元々楽天が買収検討した相手。現在は「むちゃくちゃ仲が良い」(三木谷氏) | TBS買収騒動の章 |
| 楽天モバイル コアエンジニア250人 | 完全仮想化ネットワーク管理体制 | 他社は数千人規模との三木谷氏の見立て |
| 楽天モバイル契約数1000万件 | 2025年12月末で獲得射程圏内 | 三木谷氏自身の発言 |
| 楽天市場ショッピング+60〜70% | 楽天モバイル契約者の購買増加率 | エコシステム効果 |
| 日本経済 -7%(30年・ドルベース) | 三木谷氏の引用数値 | 出典は動画内で言及なし |
| アメリカ経済 30年で5倍 | 同上比較 | 年間7-8%成長との換算 |
| 日本所得税最高56% | 富裕層・トップ人材の流入阻害要因 | 台湾20%、海外30%との対比 |
| ベッカム税(スペイン) | 海外移住者所得税20%の特例 | 三木谷氏が引用 |
| イタリア肖像権非課税 | クリスティアーノ・ロナウド誘致につながった例 | 三木谷氏が引用 |
| 日本キャッシュハンドリングコスト 年5兆円 | 完全デジタル化での経済効果試算根拠 | 出典は動画内で言及なし |
| 日本改革プラン | 2030年までに所得40%増 | 楽天提示の経済成長案 |
| Kobo | 電子書籍。世界シェア約30%(Amazon 70%) | 海外事業 |
| Viki | シンガポール拠点。アジアコンテンツ世界配信 | 海外事業 |
| 楽天TV | 欧州全域で展開 | 海外事業 |
| イーロン・マスク氏 | 「ベンチャーの役割は国家権力への反逆」と発言したと三木谷氏が紹介 | 突破力の章 |
| テスラ初の死亡事故翌日のBBQ | マスク氏が平然と来たという三木谷氏のエピソード | 突破力の章 |
| Oran(オープンRAN)イニシアティブ | 完全仮想化への国際的潮流 | モバイル章で「絵に描いた餅」と言われた経緯 |
| 楽天市場ショッピング検索 | ワードマッチング型からAI文脈理解型へ移行中 | AI×Eコマース章 |
| ステーブルコイン | 動画内では「アメリカは結構本気でやっている」との温度感 | 通貨論 |
| マイナンバーカード/マイナポイント | キャッシュレス普及策として三木谷氏が成功例として引用 | 政策論 |
アクションインサイト
- 三木谷氏の「完全仮想化=専用機をソフトウェアに置き換える」議論を踏まえれば、ハードウェア依存で運用エンジニアが多すぎる事業領域がないかを点検する余地がある(モバイル以外でも、専用機→汎用クラウドに置換できる業務はムーアの法則の便益を享受できる、との論理)。
- 三木谷氏の「楽天モバイル=単体収益+エコシステム効果(市場+60〜70%)+海外への技術販売」の3層構造の議論を踏まえると、自社の主力事業も「単体PL/隣接事業への波及/技術や資産の外販」の3軸で測る視点を入れる余地がある。
- 三木谷氏の税制・人材論を踏まえれば、日本拠点で一流人材を雇う際の「税後手取り」の現実を見て、報酬設計や役職配分の前提を再点検する余地がある(特に外国籍トップ人材を採用する場合)。
- 三木谷氏の「政治家にはならない、しつこく改革プランを提示し続ける」アプローチを踏まえれば、自社の経営者発信は「単年のニュース」ではなく「数値目標+しつこい繰り返し」でブランド化する余地がある。
- マスク氏の「ベンチャーは国家権力への反逆」という三木谷氏の引用を踏まえれば、規制で止まっている事業領域(自動運転、医療、教育など)について、国の許可待ちではなく実証事業の積み上げで前進させる戦略を検討する余地がある。
引用したくなる発言
ベンチャーの役割何かと。そうしたらね、国家権力への反逆だと。(イーロン・マスク氏の言葉として三木谷氏)
道路っていうのはできるだけ本来であれば無料で自由に使えた方がいい。携帯電話っていうのはある意味デジタルの道路。(三木谷氏)
日本はぶんどれるとこからぶんどれと。財務省が。ロジックが曲がってんですよね。(三木谷氏)
国がそんなものは分かるはずがないと僕は思ってるわけですよ。(資本主義の資金循環について/三木谷氏)
日本でその1人の死亡事故が起こったらその瞬間にこの自動運転は禁止ですよ。(三木谷氏)
申し訳ないんだけど、もうちょっとテレビ局はいいかなと。(TBS買収以降のメディア観について/三木谷氏)
関連トピック
- 堀江貴文氏/ライブドア×フジテレビ買収騒動(2005年前後の対比事例)
- 孫正義氏のテレビ事業への興味(東野氏が言及)
- イングランド・プレミアリーグの成立(メディア主導のスポーツリーグ事例)
- マイナンバーカード/マイナポイント(キャッシュレス推進策として)
- ステーブルコイン(米国の本気度について三木谷氏が言及)
- ABEMA(サイバーエージェント)/Netflix/Hulu/U-NEXT(楽天が国内では提携路線とする競合・パートナー)
- ベッカム税(スペイン)/クリスティアーノ・ロナウド誘致(イタリア肖像権非課税)
- ワイオミング州(米国の地方分権・税戦略の参考例)
- 高市政権の積極財政(東野氏が話題提起、三木谷氏は「バラマキは負のスパイラル」との立場)
- ラリー・エリソン氏(テスラ事故翌日のBBQ参加者として三木谷氏が言及)
- 楽天「日本改革プラン」(2030年までに所得40%増)
- 織田信長/楽市楽座(番組クロージングで言及)